- メダカが1回に食べ切れるエサの量って、どのくらいなの??
この記事では、そんな疑問にお答えします。
まずは、この記載⬇️、なんの話だか分かりますか??
「少量ずつ、1日数回に分けて食べ切れる量を与えてください。稚魚は水の汚れに弱いので、与えすぎに注意してください。」
正解は、市販のメダカ稚魚用飼料に書いてある「エサの与え方」の記載です。
なんとなく分かりましたよね?
「ふむふむ、ちょっとずつ何回かに分けてあげればいいのか!与えすぎは禁物なのね…」
では次の質問です。
具体的にイメージしてくださいね。
先ほどの記載を読んで、どのくらい与えれば良いと思いますか??
1グラム?スプーン1杯?小さじ?大さじ?ティースプーン?ひとつまみ?
どうですか?分かりましたか?イメージできましたか?
…分かりませんよね?
僕は、メダカを飼い始めた時、かなり面食らいました…。
「これ、もはや、当て勘の世界じゃないか…」
ちなみに、エサのパッケージのどこを見ても、先ほどの記載以上のヒントは出てきません。
勘のいい方は、もうお気付きになられたと思います…。
そうです、メダカのエサの量って、よくわからないんです!!
だから、実際に調べてみました!!
メダカのエサの量でお困りなら、ぜひ最後までご覧ください。
最初にして最大の難関「エサの量」
もう一度先ほどの記載をおさらいしておきましょう。
「少量ずつ、1日数回に分けて食べ切れる量を与えてください。稚魚は水の汚れに弱いので、与えすぎに注意してください。」
何度見ても難解な記載ですね…。
少しストレートな表現に直してみましょう。
「ちょっとずつ食べ切れる量をあげないと、水が汚れて死にます。」
飛躍した表現に見えますが、事実としてこういうことなのです。
そして、さらに困ったことに、「どのくらいの濁りが汚れている状態なの?」「そのくらい汚れていると死んでしまうの?」ということも、メダカ初心者には全く判断がつきません。
つまり、メダカ飼育の初心者にとっては、
・どのくらいの量なら食べ切れるのか
・どのくらいの量ならメダカは育つのか
・どのくらいの量だと水が汚れて死んでしまうのか
という最適な量の目安が、実験的にしかわからない、ということを意味します。
実際のところ、何度も死んでしまってから、ようやく量の目安が掴めてくる、というケースが多いようです。
でもそれじゃ困りますよね。
何度も飼い直せるわけではありませんし、メダカだってかわいそうです。
「メダカのエサの量」問題は、メダカ飼育の初心者にとっては、最初にして最大の難関と言えます。
結局知りたいことって、「食べ切れる量ってどのくらいなの?」という問いに対する答えです。
そこで、「食べ切れる量」を実際に調べてみました!
エサの量を机上で調べてみた
「食べ切れる量」について、まずは机上で調査です。
以下は、「メダカ エサ」でググってた結果、上位サイト内で見つけた「エサの量」に関する記載の概要です。
・1回に与える量の目安は、3分〜5分位で食べ切れる量
・2分ぐらいで食べ切れる量。餌が沈む前に食べ切れる量
・5分くらいで食べ切れる量
・残さない量。少しずつ変化させて試してみるのもいいでしょう
・メダカは胃がない。2分程度で食べ切れる量
やはり「食べ切れる量にする」という点は共通していますね…。
そして、量の目安も特に記載はありません。
それどころか、時間単位での記載になっています。
メダカが1分あたり、どれだけ食べれるのかも分かりませんし、その時間自体もサイトによっては2分〜5分で大きな差があります…。
2分と5分じゃ全然違いますよね。
読み違ったら食べ切れなかった3分の量がそのままゴミとなり、水質悪化にもつながります。
例えば、人間で考えてみましょうか。
大食いでお馴染みのギャル曽根さんは”30分でお茶漬け9kg”を食べたことがあるそうです(某テレビ番組での発言です)。
30分で9kgということは、単純計算で1分あたり300g。
メダカと同じように考えたら、食べ切れる量として出てくるのは600g(2分)〜1500g(5分)になります。
600gなら胃袋自慢の成人男性なら食べ切れるでしょうが、1500gになると一般人ではそうそう食べ切れる量ではありません。
2分〜5分の無茶苦茶さが少し伝わりましたでしょうか?
やはり、もう少し踏み込んで調べてみる必要がありそうですね。
ちなみに、エサやりの回数は、どのサイトも「夏場は1日2回、春秋は1日1回」でほぼ共通していました。
夏場はエサの回数が1日2回ですから、1日で計算したら、食べ切れるエサの量の幅は4分〜10分になりますね。
ギャル曽根お茶漬け基準で考えると、1日あたり1200g〜3000g…。
ギャル曽根さんは1日15kgとか食べれるそうなので、物足りないぐらいですが、一般人では3000gでも相当に多いですよね。
やはり最適なエサの量こそまさに、メダカの飼育が難しいと言われる理由なのでしょう。
エサの量を実際に調べてみた
机上じゃいまいちピンとこない!
ということで、実際に調べてみることにしました。
といっても、生命第一です。
実験的にメダカを死なせてしまっては元も子もないので、あくまで調べたのは「食べ切れる量」になります。
「どれくらいあげたら死んでしまうか」ではないので、その点はご留意ください。
調査の前提条件は以下の通りです。
- 協力してもらうメダカは1cm程度の稚魚(成魚だと2cm〜が目安)
- 元々野生の川に生息していたものを採取
- 水槽に1匹のみ入れて、エサをあげ、完食できたかどうかを確認
- 少なくともエサをあげてから5分間は目視で観察
- 完食できた or できなかったに関わらず、食後は水を全部交換
- 季節は6月なので、エサの回数は1日2回
- 室外飼育なので、水中のプランクトンもエサになりうる
この前提条件の下、エサの量を増減しながら、目視で食べる様子を観察し、食後の食べ残しを確認しました。
ご自宅にあるもので目安がわかるようにしたかったので、精密な計量器は使用していません。
ご自宅にあるものを使って量を計り、エサを与えて観察しています。
若干感覚的な記載にはなってしまいますが、最終的には成魚になるまでの2週間近く生存しましたので、大いに参考になる結果だと思います。
ティースプーン1杯
コーヒや紅茶を飲む時に使用するティースプーンです。
いわゆる贈答用スプーンもこのサイズ感であることが多いと思います。
まぁ厳密にはサイズ感は気にしなくて問題ありません。どうでもいいです。
なぜなら…「圧倒的に多すぎ」だからです。
素人目に見ても絶対多すぎだろ…とは思いましたが、やはり多すぎました。
入れた瞬間に水面一帯に茶色いエサ が広がり、覆い尽くされました。
メダカは水面に来て、パクパクとエサを食べましたが、見た目にも減ったと思えるほど食べませんでした。
メダカが食事を止める頃には、エサは水の中に沈み始め、水はあっという間に濁りました。
食べ切れる量は分かりませんでしたが、「与えすぎ厳禁」と言われる理由は一瞬にして理解できました。
ティースプーンはやりすぎです。
アイスやゼリー用のプラスチックスプーン0.5杯
次はプラスチックスプーンの出番です。
ティースプーンの結果、あまりにも多すぎたと感じたので、1杯ではなく、0.5杯で挑戦です。
結果は、「断然、多すぎ」です。
当然メダカ1匹では食べ切れる量ではありませんし、ティースプーンほどではないにしても、あっという間に水は濁ります。
メダカはきっとエサが来た!と思うより、なんか汚いの入ってきたなぁ…ぐらいにしか思っていないと思います。
指ひとつまみ
お次は指ひとつまみです。
ひとつまみも若干曖昧ですが、「男性の親指と人差し指で結構しっかりつまんだひとつまみ」になります。
結果は、「多すぎ」です。
入れた瞬間に水面にエサ が広がり、メダカは勢いよく食べにきます。
水も一見透明なままです。
しかし、食べている間を観察していると、とてもではありませんが、全てを食べきったとは思えません。
エサは水面全体に広がりましたが、メダカは一部分を一生懸命パクパクしたに過ぎず、一帯をくまなく食べた様子はありませんした。
案の定、しばらく経ってから水を見てみると、水槽の底に水を含んで膨張した茶色いエサが沈殿していました。
あげた瞬間は大丈夫そうですが、指ひとつまみでも、メダカ1匹が食べ切れる量としては多過ぎです。
耳かき1杯
少ない量を測れるもので、誰の家にでもあるもの…。
考え抜いた結果、耳かきの登場です。
耳かき1杯、結構適量なんじゃないかと期待して投入!
結果は、「多すぎ」です。
指ひとつまみとの違いはエサ が水面に広がるか、こんもりと水に浮くかの違いだけ。
食べ切れてもいませんし、食べ残しはしばらくすると沈殿して水を汚してしまいました。
耳かき0.5杯
これでどうだ!と挑戦してみましたが、残念ながら、耳かき0.5杯でも「多い」です。
確かに水の汚れは耳かき1杯と比べれば断然マシでですが、全然食べ切れていません。
耳かきにほんのちょっと(0.1杯くらい)
耳かき0.5杯でも多いなら…と今度は極端に少なくして挑戦。
耳かきがエサにほんの少しだけ引っかかるぐらいの量にしてみました。
結果は、「適量」でした。僕的これが結論です。
もう少し具体的にお伝えすると、3分ぐらいで水面に見えるエサをおおそよ食べ切り、それから2分くらい水面をパクパクし続けて、その後に満足そうに水中に帰っていきました。
このエサの量で飼育を1週間ほど続けていますが、メダカは元気に生育しています。
また、水の交換も全部交換ではなく、3日に1回、3分の1ほど交換するだけで、濁りのない綺麗な状態を保つことができています。
結論、1回のエサの量はこれが目安!

ということで、結論です。
メダカの稚魚1匹(1cm程度)に対する1回あたりのエサの量は…
耳かきでちょっとかするぐらい!
あくまで僕の独自調査ではありますが、感覚的な量としてさほどのズレはないのではないか、と思います。
この量できちんと生育し続けている、という事実が何よりもその根拠になるのではないかと思います。
さいごに
飼育していく過程で稚魚はどんどん大きくなっていきますので、大きさに合わせてエサの量は増やしてあげてください(当然感覚量にはなりますが…)。
あと、メダカのエサは人の体内に入っても害はありませんが、耳垢はメダカが喜ばないと思うので、耳かきはきちんと使い分けましょう。
綿棒のように使い捨ての耳かきも売っていますので、そちらを使用するようにしましょう。
メダカ飼育に臨む多くの方が、最初にして最大の難関であるエサの量問題を乗り越え、素晴らしいメダカライフを送れることを心から祈っています。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。